ブログ
Blog
Blog
2019年10月に兵庫県姫路市飾磨区阿成植木で開業予定、飾磨・亀山・妻鹿駅の歯医者「こころ歯科クリニック」の公式ブログです。
歯肉の炎症を診断するために、プロービングを行います。
プロービングとは、歯と歯ぐきの間にあるポケットに、細い器具を挿入してポケット値を測定するのですが、今回はプロービング時の出血(BOP)についてです。
歯周炎の多くは、慢性歯周炎です。一方、比較的若年者で急速に進行する急速破壊性(侵襲性)歯周炎という病態もあります。
いずれの疾患も治療方針は同じなので、特別に分けて考える必要はありません。
共通の特徴として、付着の喪失をともなう歯肉の炎症が挙げられます。これが、歯周炎の定義です。
ちなみに、歯肉炎は付着の喪失をともなわない歯肉の炎症となります。
したがって、臨床においては付着の喪失と歯肉の炎症があれば歯周炎と診断することができます。
このうち、歯肉の炎症を診断する方法がプロービングなのです。
ところで、プロービングではいったい何を診ているのでしょうか?歯周ポケットの深さだと思っている人もいるかもしれませんが、少し違います。
実は、解剖的な歯周ポケット底部と、臨床的な歯周ポケット底部は異なるという事です。解剖的な歯周ポケット底部は、接合上皮(ポケット上皮)の最根尖部です。すなわち、接合上皮と歯肉結合組織の境界が解剖的な歯周ポケット底部となります。真のポケット底部といってもいいでしょう。
接合上皮の上端部を歯周ポケット底部と考える方が多いですが、これは誤りです。
ここで問題となるのが、適切なプロービング圧でプロービングをした場合に、真のポケット底部と臨床的な歯周ポケット底部がどれだけ一致するかという事ですが、実はほとんど一致しません。
というのも、健康な歯周組織にプロービングを行なった場合、プローブの先端は真の歯周ポケット底部まで到達しません。
逆に炎症を起こしている歯周組織にプロービングを行なった場合、プローブの先端は真のポケット底部よりも深いところまで到達してしまいます。
つまり、プロービングでは正確に歯周ポケットの深さを測定する事はできないのです。
プロービングで診るのは、プロービング圧に対する組織の抵抗性です。
健康な歯周組織であれば、組織は硬く引き締まっているので、プローブを入れても深くまで入りません。また、BOPも生じません。しかし、炎症を起こしていると組織はボロボロの状態になっているので、プローブが深くまで入り込みますし。BOP(出血)も生じます。
BOP検査では、Langらに代表される付着の喪失の発生割合を述べた報告があります。
年4回の検査において,全てBOP(+)示した部位の30%の部位で2 mm以上の付着の喪失を示しています。
逆に、年4回全てBOP(-)の場合は、約2%の部位において付着の喪失が生じている。
これは、歯周治療における極めて重要な付着の喪失の有無を述べたものであり、BOP検査後の歯科的介入の必要性に対する有益な情報として位置付けられています。
5mm以上のプロービング深さを有するポケットが、BOPの発生率が高く、16%以上のBOP部位を有する患者も、アタッチメントロスをおこす可能性が高いということがわかります。
BOPの有無は、今の歯肉の健康状態と今後の状態も予測できる指標だと言えます。
参考文献:臨床歯周病学のエビデンス活用BOOK
姫路市の歯医者 小児歯科(こども歯科)無痛治療 審美歯科
予防歯科 矯正歯科 親知らずの抜歯 インプラント ホワイトニングなら
こころ歯科クリニックへ
〒672−8030
姫路市飾磨区阿成植木678番地
079−287−8867