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歯周病はなぜ痛くないのか

2019年9月に兵庫県姫路市飾磨区阿成植木で開業予定のこころ歯科こども歯科クリニックの公式ブログです。

歯医者さんで、「歯周病が進行しています。」と言われても、自覚症状がなければどの程度なのか分かりにくいですよね。

歯周病は、病状がかなり進行するまで痛みが出にくいため、気がついた時には手遅れということがあります。

日本人の成人の80%に、なんらかの症状があると言われる、いわば「国民病」です。罹患率が高く、患者さんがなかなか減らないのは、よっぽど悪くならないと痛みが起きないという歯周病の特徴も影響していると考えられます。

それでは、なぜ歯周病は痛みがないのでしょうか?

歯周病は、歯周ポケットに入り込んだ歯周病菌が起こす病気です。歯周ポケットの中で炎症が始まり、その影響で歯槽骨(歯を支えている骨)が溶けて、血や膿が出るなどしながら悪くなっていきます。しかし、痛みはほとんどありません。

それは歯周ポケットが外に向かって開かれていて、血も膿も出入り自由だからです。つまり内圧が上がらず、歯の周りのセンサーが圧迫されません。そのため、痛みが出にくいのです。

しかし、歯周病が進行すると、歯周ポケットの奥の奥でも炎症が起き始めます。腫れた組織や膿によって内圧が高まります。外に出ようとする膿が周りの組織を圧迫し、強烈な痛みが起きるのです。

膿が溜まって内圧がさらに高まると、歯ぐきを破って外に出ることもあります。こうなると、急に内圧は下がり、痛みはすっと消えて楽になります。痛みが消えたからといって、治療を受けずにいると、体調の変化に合わせて痛みを繰り返し、ついに歯がグラグラになって抜歯せざるを得なくなっているので油断は禁物です。

痛みが出る前に、定期的に歯科医院でチェックを受けましょう!

 

参考文献:nico 2013年1月号

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