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2019年10月に兵庫県姫路市飾磨区阿成植木で開業予定、飾磨・亀山・妻鹿駅の歯医者「こころ歯科クリニック」の公式ブログです。
ビスフォスフォネート製剤(BP剤)は、骨粗鬆症の治療薬として大変すぐれたお薬です。例えば、閉経後の女性の骨密度のアップに飲み薬が用いられたり、乳がんや前立腺がんなどの骨転移を防ぐ薬として注射薬が用いられるなどしています。
ところが、この薬を継続的に使っていると(3年以上するとリスクが高くなります)抜歯などの傷がきっかけで、あごの骨が壊死するという副作用が起きることがわかっています。頻度としては、飲み薬で0.3%程度とそれほど高いものではありません。しかし、一度起こると難治性で大変つらい副作用です。
BP製剤を飲んでいるのを知らずに歯を抜いてしまったということは、あってはならないので、服用している場合は問診票に記入していただきお薬手帳もお持ちください。
代表的なBP製剤は、フォサマック、アクトネルなどがあります。
BP製剤の副作用は、なぜあごの骨だけに特徴的に出るのでしょうか。それには、あごの骨特有の性質が関わっています。あごの骨は、常に強い力が加わるため、からだの骨の中で最も早く代謝します。
ことに、下あごの骨はからだの10倍の速さで生まれ変わっていると言われています。この代謝を止め、骨が蓄積し骨密度が増すように作用するのがBP製剤です。
本来ならば、盛んに新しく生まれ変わるはずのあごの骨の代謝を止め、古い骨を温存することによって生ずる歪みが骨壊死を招くのではないかと考えられています。
また、あごの骨を覆っているはぐきは、からだの骨を覆う皮膚に比べて格段に薄くデリケートです。からだの骨は、よほど激しい擦過傷にでもならない限りむき出しにはなりません。しかし、はぐきは抜歯や入れ歯によるキズなどによって破れやすく、結果的にあごの骨は細菌にさらされやすいのです。虫歯や歯周病のために細菌があごの骨の壊死が起きてしまいます。
抜歯などの外科治療が必要な場合は、歯科医師が骨粗しょう症の治療の主治医と連携を取り、歯科治療の準備のための休薬の相談をします。
医科の主治医の判断で休薬すると、約3ヶ月後には、あごの骨の代謝が一巡し、薬の影響が減ってきます。抜歯後は、しっかりと縫合して細菌感染を防ぎます。
ただ、がんの転移を防ぐ注射剤のBP製剤をお使いの患者さんは、休薬が望ましくないことも多いです。この場合は通常、抜歯よりもがん治療を優先することになります。
すでにBP製剤を飲んでいるかたは、毎日の歯磨きを丁寧に行い歯科のクリーニングに定期的においでください。お口の中の細菌は、あご骨の壊死のリスクになってしまいます。そこで発症の予防に効果があるのが口腔ケアです。これから服用というかたは、その前に歯科を受診し、抜歯などの必要な治療をあらかじめ済ませておきましょう。入れ歯による傷も骨壊死もきっかけになります。傷や、炎症を防ぐため、入れ歯の清掃を丁寧にして、調整には定期的に通いましょう。
参考文献:nico 2014年1月号
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