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なぜ歯周病治療ではブラッシングが必要なのか

2019年10月に兵庫県姫路市飾磨区阿成植木で開業予定、飾磨・亀山・妻鹿駅の歯医者「こころ歯科クリニック」の公式ブログです。

歯周治療において、今では当たり前のように行われているブラッシング指導ですが、一昔前まではブラッシングの重要性は認識されていませんでした。

プラークには、歯肉辺縁より歯冠側の歯面に付着している歯肉縁上プラークと、歯肉辺縁よりも根尖側の歯根面に付着している歯肉縁下プラークがあります。

単純に考えれば、歯周炎によって引き起こされているAL(アタッチメントロス)に直接関与しているのは歯肉縁下プラークの中に存在する細菌です。ということは、最初から歯肉縁下のプラークさえ除去すれば歯周炎の問題は解決するのではないか。

このような考えで歯周治療がなされていた時代が日本でも30年ほど前ではあったのです。

歯周炎の原因がプラークであることが科学的に証明される以前は、歯周治療の主体は対症療法でした。いきなり歯周外科手術を行ったり、歯周病は治らないと諦めて抜歯して補綴治療が行われていました。対症療法によって一時的に病状が改善することもあると思いますが、激痛をともなうような疾患であれば一時的な改善も意味がありますが、歯周炎の場合は、急発の場合を除いてはほとんどそのような症状はありません。

慢性炎症の一時的な改善は長期予後で考えるとほとんど無意味です。

ブラッシングとは、歯に付着したバイオフィルムを歯ブラシを使い機械的に破壊し、細菌を除去するために行っています。

バイオフィルムとは、歯の表面に細菌と細菌がつくる菌体外多糖などの生産物が集まっ てできた構造体で洗口剤などでは除去することは出来ず、歯ブラシで取る以外に方法はありません。

歯周病の原因は、歯肉縁上縁下に付着した細菌性のバイオフィルムです。歯周病に罹患すると、歯肉の発赤、腫脹、歯周ポケットからの出血、排膿、歯の動揺、移動、歯肉退縮、バイオフィルムおよび歯石の歯面への付着などが見られます。

歯肉炎では、このバイオフィルムをブラッシングなどで機械的に除去し、炎症をコントロール出来さえすれば、健康で正常な状態に回復できると言われています。

 

 

参考文献:臨床歯周病学のエビデンス活用BOOK

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